子供に仏教の大切さを伝えるには?現役僧侶が実体験をもとに解説!

現代社会において、寺離れや無宗教といった影響により、仏教との関りが遠ざかってしまっている印象が顕著に見受けられます。

仏教は、日本の歴史から見ても深く私たちの生活に関わってきており、様々な行事や風習といった、日常生活に欠かせないものでありました。

しかし、最近ではその関係も遠のき、お正月の初詣や節分の豆まきなど、何気なく行っている行事が仏教由来のものあり、本来の意味があることを忘れてしまっている気がします。

また、仏教離れによる道徳の変化も私は危惧しています。

昔は、寺子屋などでお寺との関りも日常的なものであり、そこで和尚さんから勉強以外にも人としての在り方や、日々の行いの指針を教わったものです。

ですが最近はどうでしょう?
ニュースを見ていると、未成年の犯罪は昔に比べて増加しているそうです。

この記事では、現役僧侶が実体験をもとに、こういった現代だからこそ子供に学ばせたい仏教について、その伝え方を解説していきます。

子供の教育に仏教を取り入れよう!

現代社会が昔と大きく変わった点は何でしょう?

私が考えるその違いというのは、人と人の関りが極端に減ったということだと考えています。

情報が飛び交うネットという環境がある生活やスマホ・テレビゲームがあるおかげで、家を出て外で遊ぶ子供の姿は、都会では特に見ることが少なくなってきました。

その他にも、葬儀の形態も段々と家族葬のような縮小傾向にあり、亡くなった後ですら最後の挨拶においても満足にできない状況であります。

それこそ昔は、人が亡くなるとご近所さん同士が集まり、葬儀について分からないことを教えてもらったり、忙しい準備を全面的にお手伝いをするというご近所関係がありました。

現在では、子供は家で一人で遊び、葬儀も縮小化されているので、昔に比べてなんとも寂しい印象を受けるのは仕方ないことだと思います。

人と人が多く関わり、他者を見て育つことこそ、物事の善悪や豊かな感情というのは形成されると私は考えます。

その助けとなったのが、昔の寺子屋でした。

寺子屋では、子供たちが集まり、勉強から仏教を通した様々な死生観を子供たちに伝えることで、善悪を分別した人間性や子供同士の協調性を育む場所として大いに重宝されてきました。

実は私の寺は、今でも子供たちが集まり寺子屋として勉強や道徳について教えています。

親御さんによる寺子屋の感想としては、「子供が以前より相手の気持ちを考えるようになった」や「引っ込みがちだったが、友達と積極的に関わるようになった」等のお声をいただいています。

人と人との関係がなかなか作れない今の社会だからこそこういった場所というのは必要ですし、やはり仏教を通して子供が善悪を理解して豊かな人間性を持つことは、親の願いでもあると思います。

仏教というと、宗教としての怖さや胡散臭さがあるのは分かりますが、仏道は人の正しい道を示してくれる道徳のようなものです。

ですので、子供の教育の一つとして仏教を学ばせるということは、必ず子供の成長に良い影響を与えることでしょう。

子供に仏教を体験させる取り組み

私のお寺では、寺子屋を開いていると言いましたが、他にも有志の僧侶とともに子供たちを寺子屋の課外授業版として遠足に連れて行っています。

そこでは、食べ物への感謝を学ぶため農家さんを尋ねたり、禅宗のお寺に伺って座禅体験や修行体験をして、日々の日常とことなる仏教体験をしてもらいます。

そのような経験から私たちは以下のことを子供に学んでもらおうと考えています。↓

  • 生きていることは、決して自分一人の力ではない
  • 感謝の大切さ
  • いかに自分が日々煩悩にまみれているのか
  • 家族の大切さ
  • 友達との協調性

特に子供たちに学ばせようと立ち振る舞っているのは上記の五点です。

なぜこれらを重要視しているかというと、これらは現代社会においてなかなか日々の生活だけでは自力で学ぶのが難しいからです。

ですので、仏教体験を通して友達と関係を深めたうえで、忘れがちだけど人間として生きるうえで大切な道徳を身に着けてもらいたいと考えているのです。

家でもできる子供への仏教の伝え方

寺子屋について説明しましたが、これは近くに寺子屋を開いている寺院がなければ通わせることができません。

ですので、家庭の教育として子供の成長の手助けとなるよう、スムーズに仏教を取り入れる方法を3つ紹介していきます。

①つ目の方法は、挨拶をしっかりさせるということです。
挨拶といってもただ言葉を言えばいいというわけではなく、例えば食事の時には、命を頂くことの大切さを親御さんが子供に教えてあげなければなりません。また、何かをしてもらったら感謝を伝える大切さをしっかり教えてあげることも必要です。

②つ目の方法は、相手の気持ちを考えさせるということです。
人間関係で自分のことばかり考えていたら上手くいくわけがありません。お釈迦さまも人に合わせて教えを説いたように、相手を見て、人に合わせることができることも必要です。

③つ目の方法は、先祖に手を合わせる姿を子供に見せることです。
子供は親を見て育つといわれるように、親の姿を子供はマネをします。①の感謝の気持ちを自然に持たせるためにも、仏壇やお墓に手を合わせる習慣は大切であります。

このたった3つの方法を実践するだけで子供の成長もかなり変わってくると思います。

まとめ

現代社会を言い換えると孤立社会といっても差し支えないかと思います。

そんな時代において、子供たちにもしっかり生き抜ける善悪をわきまえた優しい人間となってほしいのが当たり前でしょう。

近くに寺子屋をやっているようなお寺があり、子供を通わせることができればいいですが、なかなか見つからないこともあります。

そんな時は、紹介した3つの方法を実践してみてください。

少なからず子供の成長に良い影響となると思いますので、是非試してみてください。

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