最近、お遍路や御朱印が若い世代にも注目されて、ひそかなブームとなっているようです。
また、私のお寺にもお経を教えてほしいという声があり、「読経会」を開いて信徒のみなさんと良いお経が唱えられるよう研鑽しています。
ご家庭の仏壇で朝お経をあげてお勤めをすることは大変よいことで、一軒でも多くそういった習慣を取り入れてほしいと願っています。
しかし、ただお経本を見て読めばいいというものでもありません。
この記事では、お経を読むうえで心がけることや上手に唱えるコツを私の経験をもとに分かり易く紹介していきます。
是非、最後まで読み進めていただき僧侶のような読経をマスターしていってください。
お経はどうやってできたの?
お経は、お釈迦さまの教えを文字にしたものです。
お釈迦さまは、悟りをひらかれてから81歳でお亡くなりになるまで約50年間、多くの人々に対して教えを説かれました。
その人に応じて、また時に応じて教えを説かれたのですが、当時はその教えを口伝で伝えていきました。
それをお釈迦さまの亡きあと、お弟子さんたちが集まり編集し、インド西北部より中央アジア、中国に伝えられたものが漢文化され、日本に伝わってきました。
心をこめてお唱えすることが大切
お経を唱えるうえで大切なのは、心をこめてお唱えすることです。
お経はご存じのとおり、仏さまの教えをまとめたものになります。
ですから、お経を読むということは、仏さまの教えを私自身がいただくということと、「お経を上げる」と表現するように、仏さまの教えをほかの人に教えてあげる。
すなわち、仏さまにかわってお説法をするということなのです。
ですので、心をこめてお唱えするということは、お経を読んで得られる功徳をご先祖さまへ回向(届ける)気持ちと日々見守ってくださっていることへの感謝をこめてお唱えすることが大切なのです。
もちろん、読み方についても自分勝手に読めばいいということではありませんが、できるならば菩提寺の住職に教えていただいてくの一番いいです。
お経は、宗派それぞれのお経があり、その意味する由来や唱え方もことなってきます。
それが出来ないときは、テープなどをかけて、それを聞きながら一緒に読むという方法もあるでしょう。
お経を読む功徳
お経が読まれているときは、天人四衆がまわりにきて聴法しているともいわれています。
そして、信じて唱えればあらゆる苦悩から解放され、お経によってはどんな罪(悪い行い)も消滅すると言われております。
ですから、お経を読むときは朗々と声をあげ、はっきりとわかるように読むことが大切ですし、それ以上に誤りなく正しくお経をお唱えすることが大事です。
私も師匠から、「適当にお経をお唱えすることは、間違った教えを説いていることと同じ」と教えられたことがありました。
お経を間違えるということは、そのお経の意味するところからかけ離れてしまうため、間違えないようゆっくりでも構わないので正しく読むようにしましょう。
お経の唱えかた
お経を読むうえで大切なことは、姿勢を正し至心に仏さまやご先祖さまに向き合うことです。
姿勢に関して、私が習ったことをあげると、「天井から糸が頭の頂点と繋がって垂らされており、常にピンと糸がはった状態を保つように」と教わりました。
それが綺麗で正しい姿勢だそうです。
そして、お経は上記でふれたように心をこめ、ゆっくりでも間違えないようにお唱えすることが大切です。
私のお寺で読経会をする際は、このようなことを注意して行っていますが、どうしてもお経の最中に気が緩むと姿勢が悪くなってきます。
たくさんやることがあって大変かもしれませんが続けていくうちに慣れてくるものです。
自然と姿勢が整い、心をこめて読経出来たら素晴らしいですね。
読経のコツ
上記でもふれましたが、まず一人でお経をお唱えするときはゆっくりお唱えするようにしましょう。
その他にも上達するコツをあげます↓
- 拍をとりながら読む
- お坊さんのマネをして低い声で読まず、自分の自然な声で唱える
- 手本となるテープや僧侶と一緒にお唱えする
ゆっくり唱える他、この3つを心掛ければ必ず上達できると思います。
拍をとりながら読むことによって、そのまま読んでいると伸ばして読まなかった漢字を伸ばして読むようになります。
実は、お坊さんはこのようにお経を読経しているため、自分の読み方と違うと感じていた方は、拍をつけて読むことでお坊さんと同じ読み方ができるでしょう。
また、手本と一緒にお経をお唱えするのも上達する近道となります。
その際、下手にお坊さんの声をマネて声を出すと喉を潰してしまいます。
お坊さんは、長年お経を唱えて何度も喉を潰したうえであの低い声を出しています。
自分の自然な声で、無理をせずお唱えしましょう。
まとめ
お経はお釈迦さまの教えですから、今一度下記のことを忘れず覚えておきましょう。
- 心をこめてお唱えする
- 姿勢を正す
- 読経はゆっくりでもいいので間違えないように
- 練習する際は、拍を取り手本と一緒にお唱えしましょう
これらが実践できれば、自然と良い読経ができるようになっていると思います。
是非、実践してみてください。