ご先祖さまにお経をお唱えしましょう!現役真言宗僧侶がお勤めのやり方を紹介!

お墓にお参りに行ったとき、仏壇でご先祖さまへのお祈りするときに手を合わせ、至心にお祈りすることと思いますが、その際お経はお唱えしていますか?

お経を唱えるということは功徳を積むことであり、それをご先祖さまに回向(届ける)することで、ご先祖さまに功徳を積んでもらうことができます。

ですからお経をお唱えすることは、最大の感謝をあらわすと私は考えています。

ですが、できればお経を唱えた方が良いと分かっていても「何を読めばいい?」「お経の長さはどのくらい読めばいい?」といった疑問もわいてくると思います。

この記事では、真言宗の勤行で使う簡単な次第をもとに分かり易く解説していきます。

『智山勤行式』について

さて、真言宗の勤行でお唱えしている『智山勤行式』についてまずは説明します。

智山勤行式は、お寺の行事で一緒にお唱えする場合もありますし、皆さん、月命日など自宅の仏壇の前でお唱えすることもあります。

普段、私たち僧侶が法事などで読んでいる、あの長い長いお経ではなく、この『智山勤行式』は在家の皆さまが読みやすいよう字が大きく、ひらがなで補足しているのでとてもお唱えし易いです。

慣れれば5分程度で読み終わるので、是非毎日とは言いませんがお唱えしていただきたい経本となっています。

 しかし、唱えてはいるものの難しい言葉がたくさんあり、梵語の真言など読経するだけでも一苦労だと思いましす。

この経本に説かれている内容を知り、そこで、どのような順序立てで構成されているかを確認していきます。

『智山勤行式』の構成

勤行次第 前半
勤行次第 後半

上の二枚の写真が実際の次第内容となりますがもう少し詳しく見ていきましょう。

  1. 懺悔文
  2. 三帰礼文
  3. 十善戒
  4. 発菩提心・三昧耶戒の真言
  5. 開経文
  6. 般若心経
  7. 光明真言
  8. 宝号
  9. 普回向

それでは一つ一つ、解説していきたいと思います。

①の懺悔文によって、輪廻して今生きている以前より、生まれ変わり死に変わり生きてきた中で犯してしまった様々な罪を反省して、そんな今までの自分の行いを心から改善していくことを仏さまに懺悔することから始まります。
懺悔は仏教を信じる者にとって自分を見つめる大切な行いといわれています。

②の三帰礼文において仏教徒として三宝(さんぽう)に帰依します。
三宝とは三つの宝、すなわち仏宝(ぶっぽう)・法宝(ほうぼう)・僧宝(そうぼう)のことをさし、この三つは仏教徒にとって大切なものなので宝にたとえます。

③の十善戒。この十善戒は仏教徒として守るべき10個の行いのことです。
これを守っていくと仏さまに誓います。

④で真言宗の信者として、仏や教えに出会えたことに感謝し、守っていくという誓いです。

読経の前には必ず読経の心構えを確認するために⑤の開経文をお唱えします。
これは深く学ぶという誓いです。

そして、 次に⑥の般若心経をお唱えします。仏さまの悟り、智慧の功徳を授かります。

次に亡くなった過去の精霊の後生菩提を祈るために⑦の光明真言をお唱えします。

お経と光明真言をお唱えした後に、この功徳がしっかりと身につくように⑧で仏と両祖大師に祈りを捧げます。

このようにしてしっかりと功徳をそなえたら、最後に⑨でご先祖さまや世界の人々に届くようお祈りをするのです。

お経をお唱えしよう!

冒頭にもお伝えしましたが、「お経をお唱えすることは、最大の感謝をあらわす」と私は考えています。

実はこれは私が師匠から教わったことで、陰から見守ってくださっているご先祖さまに対して、日々の感謝を込めてお経を唱え、功徳をお届けすること最大の感謝となるそうです。

お経を読むことは基本他者のために読むことと思います。
ただ読めばいいということではなく、気持ちを込めて至心にお唱えしましょう。

お経をご先祖さまへあげることを例えると、奥さんに日ごろの感謝を伝えるために「ありがとう」と言葉で伝えたうえ、プレゼントを用意していっしょに渡すイメージでしょうか。

例えとして分かり易いかは疑問ですが、おおむねあっていると思います。

上記で紹介した『智山勤行式』は、慣れてくれば5分ほどで読み終わります。
そこまで時間に囚われないので是非お唱えして頂ければ幸いです。

まとめ

この記事では、真言宗の勤行で使う最も使う頻度が高い『智山勤行式』についてお話ししました。

真言宗では、この次第でお唱えすることが多いですが、人それぞれ各宗派に属しているでしょう。
自分の宗派を確認し、宗派専用のお勤め用の経本を探してみれば必ず見つかると思います。

どうしてもどの経本を使ってよいか分からず、迷ったら菩提寺のご住職に伺えば教えていただけます。

日々、陰から見守ってくださっている、仏さま・ご先祖さまに感謝の気持ちを込め、お経をお唱えする。
これを習慣として取り入れてもらえたならば、自分自身の心も穏やかになり、清らかな毎日をすごせると思います。

是非実践してみてください。

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