【あると便利】現役僧侶が持ち運べる印金の有用性を紹介!

お盆のお参りのときやお彼岸でお墓参りをする際、みなさんはどのようなお参りをしているでしょうか?

お供え物やお花、線香ローソクは当たり前のように持って行き、お数珠をすり合わせてお祈りをしていると思います。

ですが、せっかくお参りに来ているのですから、感謝の気持ちとしてさらにご先祖さまに功徳を積んでいただくためにお経をお唱えしてみてはいかがでしょうか。

仏教ではそれを回向といいますが、忙しく毎日がすぎる現代社会において、年に何回もお参りする機会はなかなかつくれないと思います。

時間がない中つくったお参りの機会ですから、より良いお参りをしていってもらいたいものです。

そのお経を読む際に便利になるのが、持ち運びができる印金です。

この記事では、お参りの便利アイテムである印金について紹介していきます。

印金とは?

印金(いんきん)とは、基本的にお坊さんが使う仏具です。

簡単にいうとお寺の本堂に行くと住職がお経をお唱えする場所の近くに鐘が用意されているのを目にしたことがあると思います。

法事などでの法要の際、お経の節目でその鐘を打ち鳴らし、法要の雰囲気をよりいっそう荘厳なものへとかえていますよね。

印金は、その本堂にある鐘の携帯して持ち運べるよう手に持つ部分が取り付けられ、本堂以外の場所でも鐘としての役割を果たせるように作られた仏具であります。

ですが、仏具と固く言うと印金はお坊さんが専門知識を持って使うものであるから、一般の人が使えないのでは?と考える人もいるかもしれません。

実はまったくそんなことはなく、仏教に精通している人で普段からお経をお唱えするような熱心な方であれば、持参した印金を片手にお経を唱え、お墓参りやお遍路をしている姿も見受けられます。

ですので、お坊さんしか使えないことはなく、誰でも扱うことができるのです。

印金の有用性

上記でも説明したように、法事の際に聞く本堂での鐘の音色は私たちの気を引き締め、荘厳な雰囲気にさせてくれます。

これは、お墓参りやお遍路でお経をお唱えするときにもいえます。

お墓参りでは、印金を鳴らしてからお経を唱え始めることにより、それが気持ちの切り替えとなり至心にご先祖さまと向き合うための起点となるでしょう。

また、お遍路の場合においても二人以上でお経をお唱えするときに非常に便利です。

一人でお経をお唱えする分には気になりませんが、二人以上でお経をお唱えするとお経にズレが生じますし、複数回連続で真言を読むような際、印金を持つ経頭の人が三回唱える真言の三回目に印金を鳴らすことで「これが最後ですよ」という合図になります。

このように、むしろ二人以上でお経をお唱えするようなときは必須アイテムかもしれません。

そして、お経を読み終わった後に最後にもう一度印金を鳴らすことで、お経の区切りもはっきりし、至心にお祈りしていた張り詰めた気持ちをゆっくりとといていくのです。

在家だから使ってはいけないということは一切ありません。

印金を一つ持っているだけで、お墓やお遍路のお参りをより素晴らしいものに変えてくれるでょう。

印金の使い方

持ち運べる印金には、分かり易く持つ部分があるのでその部分を持ち、もう片方の手で印金を鳴らす鐘木を持ちます。

鳴らすときは、力いっぱい叩くのではなく、重力に任せて優しくあてるようなイメージで叩くとちょうどいい綺麗な音がでるでしょう。

また、使っていない際にどこかへ置いておくときの注意点ですが、地べたにそのまま置くことはさけましょう。
置いておくときは、布や風呂敷を一枚敷いた上に置くようにします。

これは、印金だけでなくお数珠や袈裟などの仏具にもいえることですので覚えておきましょう。

補足ですが、僧侶の中で印金や木魚といった音を鳴らす仏具を使う際に、むやみに強く叩いて大きな音を出すのはまわりへの配慮がなく、仏具の扱いが下手だといわれています。

まとめ

今まで印金の必要性については、一般の方であればとくに考えたことがなかったと思います。

ですが、我々が普段行うお墓参りやお遍路のとき、どこかお寺を参拝してお経をあげる時など様々な場面で使う機会があるのが分かったと思います。

そして、取り扱いについても説明しましたが、決して乱暴に扱わず綺麗な音が出るように色々試しながら使ってみてください。

最後に、昔印金を取り扱ううえで私が師匠から言われた言葉があります。

それは、「鳴らし物は己の心をあらわす」という言葉でした。

ようは、早く終わるよう急いで叩けば悪い音が出るし、至心に気持ちを込めて綺麗な音を心がけて印金を叩けば清らかな音が出るということです。

せっかくのお参りなのですから、ご先祖さまに印金の綺麗な音と心をこめたお経をお届けしましょう。

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