無宗教の方にこそ持つべき仏像!その訳を現役僧侶が解説!

最近、無宗教という言葉が世に出回るようになりました。

僧侶である私のもとにも「私は無宗教だから亡くなった時に行う葬式や入るお墓はどうしたらいいのでしょう?」といった質問を相談されることもあります。

私が考えるに、無宗教といっても今まで人生において仏教に関わることがなく生活してきて、関わる必要性を感じてこなかったからこそ、現在無宗教なのであると思います。

ですが、無宗教と自称される方でも、日本の行事である元旦の初詣や節分に恵方巻を食べるといった、時期が来るとテレビでも取り上げられる行事を行ったことがあるでしょう。

実はこれも仏教行事であり、日本人であれば他にも日常に溢れる様々な仏教体験を知らぬうちに行っているのです。

ここでいう無宗教とは、決まった宗派に属していないことを指すのでしょうが、もしあなたが亡くなった時、それでは残された遺族はとても困ってしまいます。

最初の私への質問もそうですが、葬儀やお墓の問題は残された家族に回ってくるからです。

この記事では、現役僧侶である私が無宗教の方でもたくさんある宗派に興味を持つきっかけとして、仏像を持つ意義について解説していきます。

仏像を持つ意義

仏像

仏像といっても仏教における仏さまの数だけ仏像は存在します。

そして、仏さまそれぞれに特化した役割があり、私たちへの導き方も様々です。

例えば、有名な仏さまとして不動明王や観音さまなどがありますが、この2つをとってみても見た目や性質は大きく変わります。

不動明王は、見た目も怒った顔をしており、剣を携えたうえに背中には火焔を背負っています。
この仏さまは、見た目通り我々の導き方も問答無用で、強引にでも正しい道に戻そうとする仏さまです。

対して、観音さまは優しいご尊顔で、人によって自らが姿を変えてまで正しい道に優しく導いてくださる仏さまであります。※補足ではありますが、この故に観音さまは様々な仏像が存在します。

この2つを掻い摘んだだけでも仏像といっても様々なものがあるとお分かりいただけると思います。

その中から一つで構わないので仏像を手元に置くことをお勧めします。

ですが、仏像を手元に置く意義とは何なのでしょう?

その意義というのは、たくさんあるのですがここでは一番大事なこととして一つ、仏像を持つことによって仏像に手を合わせる習慣がつくことです。

たくさんの種類がある中から、一つの仏さまを選んだのには理由があることでしょう。

何かの悩みからその悩み解決に特化した仏さまを選んだり、仏さまの教えに共感し仏像を選んだということもあると思います。

そんな私たちを導いてくれる仏さまを無碍にはできませんよね。高いところに安置してみると驚くほど自然に手を合わせている自分に気づくでしょう。

その手を合わせるという行為が最初の第一歩になるのです。

無宗教の人こそ仏像を持った方がいい!

冒頭でもあげましたが、無宗教の方は生きてきた人生の中で仏教にふれず、特定の宗派と関りがなかったからこそ自分は無宗教であるといわれているのではないでしょうか?

私が無宗教の方にこそ仏像を持つことをお勧めする理由は、まずどのような仏さまがいるか確認し、あなたが数ある中から選んだ仏さまに対して、手を合わせるという行為自体が仏教にふれる第一歩となり、今まで関わってこなかった仏教に出会える機会となるからです。

それがきっかけとなり、選んだ仏さまを特に信仰する宗派が見つかるかもしれません。

また、仏像をきっかけに仏教をより深く学びたいと思う方も出てくるでしょう。
仏教は、知れば知るほど奥が深く、多岐にわたって関連していきます。

ですので、そのきっかけからあなたがどう行動するかはあなた次第ですが、仏像にふれるという行為があってこそ、仏教と出会うきっかけとなるのです。

そういった機会がなかったからこそ無宗教などということになり、切羽詰まった状況になってから慌てふためくことになってしまうのではないでしょうか。

仏像を選ぶコツ(無宗教の方向け)

上記でも説明した通り、仏像の種類は多岐にわたります。

そんな中で、一つを選ぶコツとして私がお勧めしている方法をご紹介します。↓

  1. 仏さまの特化したご利益を確認し選ぶ
  2. 今まで出会った興味のある仏さまを選ぶ
  3. 見た目で気に入った仏さまを選ぶ

①は、何か特定のご利益、例えば病気を治すために薬師如来さまの仏像を選ぶといったように、自分の願うご利益によって仏さまを選ぶ方法です。

②は、今まで出会った仏さまで、興味関心があればその仏さまの仏像を選んでいいと思います。興味があれば自ずと学び、それが仏道の第一歩となるでしょう。

③は、見た目が気に入った仏さまですが、これは最終手段としましょう。もちろん①や②の経緯がなければ構いません。しかし、見た目から入るということは、理由はどうあれ興味が引かれたわけで、仏道に関わる第一歩となることに変わりはないのであげさせていただきました。

選び方に迷ったら上記を基準に仏像を選んでみてください。

まとめ

無宗教の方にこそ仏像を持ってほしいと記事を書きましたが、不安を煽るような表現もあり誠に申し訳ありませんでした。

ですが、今まで仏教に関わってこなかったからこそ、その最初の一歩となり、皆さんの無宗教から仏教にふれる手助けとなればと思い記事にした次第です。

もしかしたら、若い世代の方も「如来」とか「明王」と聞くとアニメや漫画の影響で興味を示してくれるかもしれません。

そういった、興味からでも構わないと私は思います。

まずは、無宗教と言わず、仏教にふれる機会を是非つくってみてください。

それをきっかけに仏教に関わっていく方が増えたら幸いです。

タイトルとURLをコピーしました