【あると便利】経机の必要性について現役僧侶が解説!

みなさん法事やお寺の行事の際、お坊さんがお経をお唱えしている時にお経本を机においてそれを見ながらお唱えしている光景を目にしたことがあるかもしれません。

その机のことを仏具として経机と私たち僧侶は呼んでいます。

この経机ですが、私が月参りや法事で檀家さんのお宅に伺うと、実は大半の家が仏壇の前に置くなどして備えられています。

これは、都会の住宅事情によって仏壇がない家の方には当てはまりませんが、田舎の仏間があるような家ではほとんどの家にある印象を受けます。

そんな経机についてこの記事では、本来の使い方や実際に見た事例で間違った使い方をしているお宅の例をあげながら解説していきます。

経机について

上記でもふれたように、経机とは本来お経本を置きお経を読む際の補助的な仏具であります。

ですので、お坊さんが使っている姿を想像すると無駄なものは置かず、経机にお経本のみを置いてお経をお唱えしている光景が想像できると思います。

また、経机の利便性としてあげるならば、お経本を机に置いているので両手が空いている状態となります。

その空いた手で印を結んだり、法要の所作を不自由なく行うことができるのです。

僧侶となると所作というのは重く捉えており、例えばお数珠などは地べたに置くことは良しとされていませんので、所作を行う時に経机に置いてから始めることで問題なくなります。

このように、お坊さんは経机を最大限に活用していますが、一般のお宅では正直「ん?」となるような使い方をしている場合もありますので、それについても紹介していきます。

経机の間違った使い方

私の住んでいる地域は田舎なので、都会の住宅構造と違い仏間があるお宅が多いことから仏壇とセットで経机を仏壇の前に置いているお宅が多い印象を受けます。

経机を置いているお宅はどのような使い方をしているのでしょうか?

私が見た実例をあげると、仏壇に入りきらなかった位牌や過去帳、線香やロウソクのストックなどを物置のように置いていた事例があります。

さすがにこの使い方は、間違っていると言えるでしょう。

仏壇は、仏さまやご先祖様の荘厳な世界をあらわすため、物を置きすぎずにすっきりさせたい気持ちは分かりますが、だからといって経机に何でも置くのはどうかと思います。

また、花・香炉・ローソクといった三具足を置いているのも目にしますが、これも本来の使い方から考えると違う気がします。

三具足を置くなら、それはそれで台を設けることをおすすめします。

経机の本来の使い方を知っている人がこれらの光景を目にしたら、所有者が恥をかくこともあるかもしれません。

本来の使い方を理解し、正しく経机を使えるようになりましょう。

おすすめ経机の活用方法

ここでは、経机のおすすめの活用法を紹介します。

基本的に経机は、物を置きすぎず、すっきりさせておきましょう。

一般の在家の方が使うときは、お経をお唱えする際の補助として使い、お勤めのお経本やお経に使う鐘、拍子木といった仏具のみ置くことが理想であります。

その他にも、御詠歌や梅花をお唱えする方にはちょうどいい机となるでしょう。

経机というのは、座った時に読みやすい高さで作られており、まさにお経や詠歌を唱えるときには最適の机と言えるでしょう。

また、お盆の時期にも経机は大活躍してくれます。

昔は、精霊棚を各家庭で築き、ご先祖さまをお迎えしていましたが、最近では簡素化が進み大々的にお盆の準備をする家庭も少なくなってきました。

そこで経机を精霊棚に見立て、簡素ながらもお盆の飾りつけをコンパクトに準備することができます。

それともう一つ、焼香を置く机としても使うことができます。

焼香においてもちょうどいい高さでありますし、お寺でも経机に焼香を置いている寺院もあるくらいですから、焼香台としても十分に機能を発揮してくれることでしょう。

まとめ

この記事では、経机の本来の使い方や間違った活用例、おすすめ活用法を解説してきましたが、自分の自宅の経机を今一度見て確認してみてください。

もしかしたら、間違った例に該当しているかもしれません。

こういった仏具というのは、生きてきて使い方を教わる機会というのはほとんどないと思います。

ですが、この記事を読んだことで正しい経机の使い方をしっかり学ぶことができたとことでしょう。

誰だって恥なんてかきたくないものであります。

また、知らないうちに恥をかいてしまうことを避けるため、この後仏壇へ向かい整理してみてはいかがでしょうか。

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