僧侶はどんな数珠を使っている?法要によって数珠を変えるわけを現役僧侶が解説!

お数珠は、仏壇にお参りするときや葬儀、法事の際に必ず使うと思います。

また、最近流行りの御朱印巡りでお寺への参拝する際、お数珠をすり合わせてご本尊さまへお参りする映像がよくテレビでも取り上げられています。

そんなお数珠ですが、俗人ではなくお坊さんはどんなお数珠を使っているかご存じでしょうか?

この記事では、実際に私が使っているお数珠を紹介していこうと思います。

お数珠にはどんな意味がある?

お数珠は、仏さまやご先祖さまをお参りするときやお経・お題目を唱えるときに手にかけてお参りしますが、本来はお経やお題目の数を数えるために用いる法具であります。

お数珠の玉の数は108が基本で、108の数は私たちの迷い、欲望の数を数えて百八煩悩とあらわされます。

この108の煩悩を一つ一つ打ち消すようにお唱えするようにと私自身、師匠から教わりました。

ですので私は、お経を唱えるとき親指と人差し指で球を摘みお経の数を数え、上記の心がけを意識しながらお唱えするようにしています。

それだけでなく、私は師匠に「お数珠は法要の時以外も所作として使い、乱暴に扱わないように」と教わりました。

108個玉があるような長いお数珠は特に、だらりと持ち歩くのではなくお数珠は二重にして持ち、綺麗な所作の一つとして扱うことが大切なのです。

たまに玉をコネて遊んでいるのを目にしますが、これはあまり見た目上よくないですよね。
お数珠を扱うときは、綺麗な所作を心がけましょう。

現役僧侶が使っている数珠を紹介

杉のお数珠

こちらは、境内に生えていた杉の木を伐り、その木材を使って作成した杉のお数珠になります。

現在は、黒くくすんだ色となってきましたが、作成当初はこのような色合いでなく、かなり明るい色合いでした。

お数珠というのは、使えば使うだけ色が変わり味が出てきます。

この杉のお数珠は、法務ではなく朝と夕方の勤行の際に使っている分、使用頻度が多いので6年使ってこの色合いにかわってきました。

ちなみに、すり合わせると少し濁ったカラカラした音が出ます。

木のお数珠は肌触りがよく、軽いのでとても扱いやすいお数珠といえます。

しかし、在家の方はあまり所持していない印象があります。

法要によって使い分けしている!?

このお数珠は、法要の際に私が使っている菩提樹の念誦です。

法要の際は、お経の数を数える以外にも、お数珠には必要となってくる機能があります。

それは宗派によって異なりますが、真言宗では他の仏具とすり合わせてあえて音を出す所作があるのです。

ですので、私が使っている菩提樹の念誦や水晶のような、すり合わせたときに綺麗な高い音が生じる素材を使ったお数珠を使っています。

ちなみに、仏具とすり合わせるとシャラランと綺麗な音が出ます。

この菩提樹のお数珠は、在家の方もわりと所持している印象を受けます。

お数珠を選ぶコツ

お数珠は、宗派によって玉の数や玉の大きさ、玉の形が変わってきます。

まずは、自分の菩提寺の宗派を確認し、迷ったら住職に聞いてみるといいと思います。

とはいえ、お坊さんはともかく在家の方はそこまで気にせず選んでいただいて構いません。
玉の材質、玉の色、紐、房の色など気に入ったものを選べばOKです。

ただ、お数珠は数を数えるものといいましたが、家庭でお経を唱える際、何度も繰り返し唱える真言を読む場合もありますので、玉の多いお数珠を選んでおけば問題ないでしょう。

お数珠は、女性向けでピンク色のものからオレンジ色のものまで様々な種類がありますので自分に合ったお数珠が見つかることでしょう。

値段は、安いもので数百円から数十万円とピンキリです。
出来ればネットではなく、お店で手に取ってすり合わせた時の音なども考慮して選べればなおいいと思います。

まとめ

お通夜やお葬式に行った際にお坊さんのお数珠を確認するとお坊さんによって様々な念誦を使っていることがわかると思います。

基本的にお数珠は、宗派によって玉の数や玉の大きさが異なってきます

その見た目の違いや使い方の違いをみると意外と面白いものです。

私は、法要か勤行によってお数珠を使い分けていますが、長年使い込むことで色が変わってきて味が出てきます。

繋ぎとめている紐が切れることはよくありますが、使っている石や木などの素材は残し、仏具屋等でなおしてもらうことができます。

できれば、皆さんも今お使いのお数珠を大切にしていただければ味の深い良いお数珠になると思いますので大切に使っていたらければ幸いです。

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