【食事に感謝】ご飯を一粒も残さず食べる意義について現役僧侶が解説!

日本において食材に困るということはないと言えるでしょう。

むしろ、食材が有り余っているせいか、食材への有難みや感謝の気持ちが薄れてきてしまっているように感じます。

これは私自身にも言えることで、僧侶となる前の俗人だった頃、特になにも考えず、さも当たり前のように食事をしていました。

ですが、修行に行き師匠から食材に対する感謝の大切さを学び、考えが180度変わりました。

その考えにより、食事をする際に感じる美味しさも変化した気がします。

この記事では、僧侶である私が修行時代に師匠から教わった食事における感謝の大切さを解説したいと思います。

ご飯を一粒も残さず食べる意義

食事をすると言うことは「命を頂くこと」というのは耳にしたことがあるでしょう。

この言葉は的を得ており、私たち人間は食事をしなければ生きていけません。

そして、その食事は生きていたものを殺し、加工されて私たちのもとへと来ますが、自分が生きるために命を頂いていると感じて食事をしている人というのは極稀でしょう。

食べることが当たり前でそういったことにはなかなか気づかないものです。

私たち僧侶は、この食事における食材への感謝をまずはじめに覚えることとして師匠から教わります。
私たちが生きていられるのは、命を頂いた食材のおかげであり、しっかり残さず食べなくてはなりません。

ちなみに、私の修行時代の食事はというと生き物は食べませんでした。
ご飯と野菜がメインの精進料理を思い浮かべたら分かり易いと思いますが、これはお釈迦さまのいた時代の僧侶の食事をマネており、修行中は特に生き物を食べないように気を付けます。
また、生き物でなくとも香辛料や一味などの刺激物も禁止されていました。

そして、食べる前と食後にお経を一巻ずつお唱えして、食事に対する感謝を心掛けて生活するのも修行の一環でありました。

このように、僧侶となって食材に感謝し、その経緯を改めて考えると食事をすることで、自ずと食事がいかに有難いかということと、残さず食べなくてはならないという使命感を感じると思います。

食べれる分だけ茶碗に盛り付け、残さず感謝して食事を頂きましょう。

ご飯を一粒も残さないで食べる方法

食べれる分だけ皿に盛り付け、ご飯やおかずを食べるというのが当たり前であると思います。

バイキング形式のような場面では、ついつい欲張ってしまいがちですが、残してしまったらこれはよくないということです。

ご飯やおかずを残さず食べるのことは、やろうと思い至ればすぐにでもできます。

しかし、特にご飯のような茶碗にへばり付いたお米も残さず食べろと言われたらどのようにして食べますか?

のこさず食べるということは、そういったへばり付いたお米も含めて全部食すということなのです。

ここで、私の師匠が実際に毎食行っている残さず食べる方法を紹介します。

師匠は、綺麗にすべての食材を食べ終わるまで湯飲みには手を着けません。
そして、食べ終わった後に湯飲みに入れてある白湯をすべての茶碗や皿に流し入れ、一粒のお米も野菜から出た汁すらも白湯でかき集めそれを飲み、文字通りすべてを無駄にしないように食事をしていました。

正直、この食事の仕方を見た時は衝撃的であったのを覚えています。

ですが、これこそ残さず食べることなんだと感じ、食材に感謝し大切に食事をしなければならないと考えが改まったきっかけとなりました。

真の意味で残さず食べてみようと思う方は、この食事の仕方を実践してみるといいでしょう。

食材に感謝するとより食事がより美味しく感じる!?

食事に感謝し、味わって食べることにより以前に比べ食事を美味しく感じるようになりました。

これは、私の修行時代の同期も同じことを言っており、たしかに変化があったように思います。

食材に感謝するということは、少なからず意識を集中して食事をします。
その影響で味を感じやすくなったのかもしれませんが、それとは別に有難いという気持ちで心を満たすことで、より美味しく思えてくるのです。
上手く説明できませんが、以前のように何も考えず当たり前と思って黙々と食べていた頃とはことなり、食材の気付かない美味しさにも気付き、気持ち的にも美味しく感じるのです。

これは、あくまで私の感想であり、皆さんが同じように感じるかは分かりませんが、私は心境の変化とともに美味しさも変わった気がしています。

もしかしたら、皆さんも食材に感謝して食事をすることで何かしら変化が生じるかもしれません。

是非実践してみてください。

まとめ

ご飯は残さず食べるというのは常識でありますが、食材に感謝してご飯を食べている人は少ないことでしょう。

私も修行に行く前は、そのようなことは考えなかったですし、思い至ることもなかったでしょう。

ですが、改めて考えてみてください。

私たちは、食材がないと生きられないですし、様々な人の苦労により食材は私たちのもとに来るのです。
一善一善に感謝し、残すことがないよう食事をしましょう。

その際、師匠の残さず食べる方法を一度試してみてください。

きっと驚くほど綺麗に残さず食事を終えることができるでしょう。

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